事例4.ビルのセントラル空調方式からGHP個別空調方式転換による省エネ事例

  • 1.テーマ

    某事務所ビルで、老朽化した空調設備の省エネのためセントラル方式からGHP(ガスエンジンヒートポンプ)個別方式へ転換した事例を紹介します。

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  • 2.設備概要と問題点

    本ビルは、地下1階、地上8階、延べ床面積23,000m2で竣工後25年が経過し、空調設備には著しい老朽化がみられました。空調設備はセントラル方式で概要は、図-1のとおりです。

     

    図-1 空調設備(セントラル空調)

     

  • 3.対策

    (1)  空調設備更新方式の検討
    空調設備の高効率化やファン・ポンプのインバータ化などの改善では、省エネ目標の30%削減に遠く及ばないため、設備の効率化とともに空調全体の32%のエネルギーを消費している搬送動力(図-2)(*)に着目しました。
    搬送動力の削減には、セントラル空調方式より個別空調方式の方が効果があると判断しましたが、実現のためには室内機と室外機間の冷媒配管長の制約や、室外機設置スペースの確保という課題がありました。

     

    図-2 用途別エネルギー使用比率(左)と空調エネルギー内訳比率(右)

     

     (2) 課題の解決

    個別空調方式としては電力デマンド上有利なGHPを採用することにしましたが、冷媒配管長が100m以上になると効率が落ちることから、1Fおよび8F用の室外機はそれぞれ周辺の地上、屋上に設置し、2~7Fの中間階用室外機は各階の外壁面に設置することにしました。この結果、冷媒配管長を80m以下に抑えることができました。
    また、GHP更新と共に、既設の中央監視装置について集中管理できるよう改造し、会議室空調需要に応じた運転停止や個別温度調整等の改善も併せて取り組み、効率的なシステムにすることができました。

     

    図-3 GHP個別空調方式概要図(室外機合計78台)

     

  • 4.効果

    以上の効率化対策により、31%の省エネを図ることができました。

     

    資料提供:(財)省エネルギーセンター

    (*)搬送動力:

    搬送動力とは、熱源設備や空調機から空気・水を媒体として、冷温熱を供給するためのファンやポンプの電力ですが、セントラル空調方式の場合、空調エネルギー全体に占める搬送動力の比率は他の方式より多いという特徴があります。

    (*)用語参照:(財)省エネルギーセンター・省エネ用語集(http://www.eccj.or.jp/qanda/term/