事例10.バイオガス混焼天然ガスコジェネレーションシステムによる省エネ事例

  • 1. 概要

    某ビール工場では環境に調和した地球にやさしい工場を目指して省エネ・炭酸ガス削減活動を推進しており、炭酸ガス排出原単位を2008年までに1990年比で57%削減することを目標としていました。本事例ではこの目標達成の一つとして実施したコジェネレーションシステム事例について紹介します。

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  • 2. 設備概要と問題点

    ビール工場の製造工程は、仕込み工程、醗酵・貯蔵工程の3工程よりなり、仕込工程では麦芽と水を加温する為に釜で大量の熱を使用する一方、その後の醗酵・貯酒、濾過工程では冷却する工程が主体であり、冷却用電力が必要となります。 このビール製造工程はバッチ工程であることと製造リードタイムが非常に長いため、生産が連続する場合、熱負荷と電力負荷が変動するという特徴がありました。また、工場排水から生成されるバイオガスを燃料としたボイラを設置していましたが、バイオガスはその全量を有効に利用できていませんでした。

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  • 3. 最適なコジェネレーションシステム検討

    上記の問題点を解決するため、今回バイオガス混焼型のコジェネレーションシステムを新規導入しました。
    コジェネレーションシステムとは燃料を燃焼させることにより原動機を駆動して発電機を回転させ、発電を行うと同時に原動機の排ガスや冷却水の熱を蒸気または温水として取り出し、冷暖房や給湯、プロセス加熱等に使用する熱電併給システムです。
    一般的にコジェネレーションシステムの原動機は、電力需要に比べて熱需要が多い場合はガスタービン、電力需要が多い場合はガスエンジンの方が全体として効率の良いシステムを構築できることから、今回の原動機選択に当たってはガスエンジン式とし、その特徴は以下のとおりです。

     

    (1) 電力需要の低い冬期にも効率的な運転が可能となるようガスエンジンは2台構成とし、台数制御方式を採用した。
    (2) コジェネレーションシステムの燃料は都市ガスとバイオガスの混焼方式とし、バイオガスの全量を有効利用できるシステムとした。これにより既設バイオガスボイラは不要となった。
    (3) プロセスで使用する冷水については、ガスエンジンからの温水を利用した吸収式冷凍機(※)を採用した。

     

    導入前後のシステムを図-1に、ガスエンジン設備概要を図-2に示します。

    図-1 導入前、導入後のシステム図

    図-2 ガスエンジン設備概要

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  • 4. 効果

    以上のコジェネレーションシステムを導入した結果、省エネルギー量は原油換算で2,461kL、省エネルギー率にして15%削減、CO2は12,110t削減できました。

    ※吸収式冷凍機
    真空に近い状態の容器の中で冷媒となる水を効率的に蒸発させながらその気化熱を利用して冷水を発生させる装置。真空に近い状態を保つために水蒸気を吸着する溶液を使用するところに特徴がある。蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器で構成されている。

    資料提供:(財)省エネルギーセンター