事例8.地中熱利用空調システムによる省エネ事例

  • 1. 概要

    地中熱利用空調システム(エアコン)は、再生可能エネルギーの一つである地中熱を空調機の熱源として利用することで、外気を熱源とする一般的なエアコンと比較して消費電力を30%程度削減することが可能と言われています。ここではこの地中熱利用空調システムによる省エネ事例について紹介します。

     

  • 2. 地中熱利用空調システム

    地中の温度は年間を通じてほぼ一定で、その土地の平均気温程度と言われています。つまり、外気温と比べると夏は冷たく、冬は暖かくなります。(図-1)
    この安定した地中熱をヒートポンプ(※)の熱源として利用し、高効率な空調システムとして活用するのが、地中熱利用空調システムです。
    地中熱利用空調システムのベースとなる地中熱ヒートポンプは、地中熱との熱交換を行う地中熱交換器と、水熱源ヒートポンプから構成されています。(図-2)

     

    図-1 年間の外気温と地中温度の変化

    図-2 地中熱ヒートポンプの概要

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  • 3. 地中熱利用空調システムによる省エネ効果

    地中熱利用空調システムによる省エネ効果については、いくつかの報告がされています。
    例えば、川崎市環境技術産学公民連携公募型共同研究事業の中では、地中熱利用空調システムと一般のエアコンを併設し、同じ状況下における空調比較運転を行っています。
    その結果、冷房では35~40%程度の省エネを、暖房では20%程度の省エネ効果が報告されています。

  • また、某エンジニアリング会社の守衛所(空調対象面積:164m2)に、地中熱空調システムを導入した際の省エネ効果について見ると、地中熱ヒートポンプの導入により、暖房時約20%程度の消費電力の削減効果が見られました。(図-3)

    これは中間期である4月上旬の結果になりますが、冷房需要が高まってくるこれからの季節は、地中温度と外気温度の差が広がってくるため、省エネ効果はますます大きくなってくると考えられます。

    図-3 地中熱ヒートポンプによる消費電力の削減

    ※ヒートポンプ
    電気などのエネルギーにより、温度の低い部分(空気や水などが持つ低い温度の熱)から温度の高い部分に熱を移動させる装置。冷媒の圧縮・膨張による潜熱(気化熱)の移動を応用したもので、その際温度の低い部分(空気や水など)は冷却される。この冷却を利用したものが冷凍機などで、加熱を利用したものがヒートポンプ。冷暖房等の空調機器(エアコン)や給湯器(エコキュート)にこの技術が利用されている。暖房や給湯など、化石燃料の燃焼によって直接熱を得る方法に比べて大幅な省エネルギーが図れる。

    資料提供:(財)省エネルギーセンター