事例5.照明の更新による省エネ事例

  • 1.概要

    某自動車工場では、完成車組み立て工程区画の蛍光灯の器具の多さに着目し、これらを高効率照明器具に更新しました。その結果、照明電力を大幅に削減できましたのでその事例を紹介します。

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  • 2.設備概要と問題点

    本区画の照明器具は、15年前に設置した蛍光灯40W×2灯100台を使用していました。照明器具の高効率化は著しく1985年以降、照明器具は10年単位で20%以上も消費電力が改善されており、更新により相当の電力削減が期待できることがわかります。(図-1 )

     

    図-1蛍光灯器具の消費電力推移
    (40W2灯用尾タイプで6,000lmを得るための消費電力 出典:(社)日本照明器具工業会)

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  • 3.対策

    照明器具の具体的更新として、本体ケースはそのままで安定器および付属品を交換する方法と、器具本体を交換する方法があります。本区画の照明器具は、照明器具の耐用限度といわれている15年を経過していることから、器具本体を交換する方法としました。
    そして、現在と同じ位置に取り付ける必要性からランプの全光束が現状に最も近い「Hf(*) 63W1灯型」を選択しました(表-1)。
    これにより、消費効率(*)は、更新前に比べて46%改善され、ランプ寿命も67%改善されました。このように、Hf蛍光灯は省エネ・省資源に適した製品となっています。

    次に、本機種の中にもいくつかの種類があり、その中で「初期照度補正(*)」機能方式を選択しました。これは、初期照度を抑えることにより更に15%の省エネが期待できるといわれている機能で、これを追加することで大幅に照明電力削減ができます。
    今回の更新では蛍光灯の配置は変更しておりませんが、配置変更を伴う更新の場合には、Hf蛍光灯の場合1灯あたりの全光束が改善されていますので、適切な機種を選択することにより全体の設置台数を減らすこともできます。

     

    表-1 照明器具の性能比較

      更新前 更新後 改善率
    安定器 磁気漏れ変圧器(ラピッド型) インバータ(Hf型) ―――
    定格消費電力(W) 85(40W2灯) 52(63W1灯) ―――
    全光束(lm) 6,000 6,500 ―――
    消費効率(lm/W) 70.5(6,000lm÷85W) 103.1(6,500lm÷63W) 46%
    ランプ寿命(時間) 12,000 20,000 67%
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  • 4.効果

    従来型の蛍光灯(40W×2灯)100台をHf蛍光灯に更新した結果、48%照明電力が削減されました。(表-2)

    表-2 削減電力

      数量(台) 消費電力(W/1台) 初期照度補正 稼働時間
    (時間/年間)
    電力量
    更新前 100 85   3,000 25.5千kWh
    更新後 100 52 15%削減 3,000 13.2千kWh
    削減量   12,2千kWh
    削減率   48%

    更新前電力量:100台×85W×3,000時間=25,500kWh
    更新後電力量:100台×52W×(1-0.15)×3,000時間=13,260kWh
    削減率:(25,500-13,260)÷25,500=48%
    稼働時間(3,000時間)=300日×10時間
    資料提供:(財)省エネルギーセンター

     

    *Hf(High Frequency)蛍光灯
    ランプ効率の高い専用の高周波点灯形蛍光ランプと電子回路式安定器(インバータ)からなる消費電力を抑えた蛍光灯器具

     

    *エネルギー消費効率(本事例における照明)
    「エネルギー消費効率」(単位:lm/W)は、器具に装着したランプから出る光の量(全光束単位:lm:ルーメン)を、消費電力(W:ワット)で割った値で、1Wの電力でどれだ
    けの明るさ(全光束)を発生させられるかを表し、器具搭載時の実測値。「エネルギ-消費効率」が大きいほど、省エネ性が高い

     

    *初期照度補正
    蛍光灯ランプは、ランプ交換後には100%の照度であるが寿命に近づくにつれて少しずつ暗くなっていく特性がある。安定器の「初期照度補正」機能を利用すると、ランプ交換初期の余分な明るさを調光しその結果、約15%の省エネになると言われている。

     

    *LED照明
    発光ダイオード (LED)を使用した照明器具で、消費効率が高く寿命が長い。ダウンライトや電球形等の一般照明用器具、信号機や液晶テレビ等幅広く利用されている。事務所等の照明にも導入事例があるが規格や基準は整備されていない。