事例1.小型貫流ボイラー増設による省エネ運転の事例(業種:輸送用機械器具製造業)

  • 1.テーマ

    蒸気需要の季節変動の大きな工場において、中間期など低負荷時における大型ボイラーの効率低下を改善するため、小型貫流ボイラー(http://www.eccj.or.jp/qanda/term/kana_ko.html#15)を増設し、蒸気需要に応じた適切なボイラーの選択と運転を行うことによりプラント効率を向上させた事例です。

     

  • 2.設備概要と問題点

    工場の蒸気設備系統図を図-1に示します。
    既存の蒸気プラントでは、都市ガスを燃料とした大型ボイラー2台(20トン,30トン)とコジェネ(http://www.eccj.or.jp/qanda/term/kana_ko.html#12)2台(21トン,9トン)が設置され、これらの設備で発生させた蒸気を工場負荷に合わせて送気する他、空調用熱源機器の蒸気吸収式冷凍機、熱交換器にも送気していました。

     

    図-1 工場の蒸気設備系統図

     

    通常、冬期と夏期には大型ボイラー1台(20トン)とコジェネ2台、中間期には大型ボイラー1台(20トン)とコジェネ1台(9トン)を運転していましたが、蒸気需要の多い冬期はプラント効率が高いものの(80%程度)、蒸気需要の少ない中間期や夏期にはプラント効率が低下する点(70%以下)が問題点でありました。
    分析の結果、大型ボイラーが冬期には60~90%の負荷率で運転できるのに対し、中間期や夏期には負荷率30%以下(6トン以下)で運転することが多くなっており、ボイラー効率が著しく低下したことがプラント効率低下の原因であると判明しました。

     

  • 3.対策

    6トン以下の少ない蒸気負荷においても全体効率を下げることなく運転できるよう、3台の小型貫流ボイラーを増設し、季節による負荷増減や日々の変動に柔軟に対応できる蒸気供給システムを構築しました。

     

  • 4.効果

    対策の結果、蒸気プラントの総合効率が69%から72.7%に向上しました(3.7%改善)。

     

    図-2 小型貫流ボイラー増設後の蒸気プラントの効率変化
    資料提供:(財)省エネルギーセンター